「目線は未来の自分を決める」という話。
もう10年近くも前になるのか。
初めてスノーボードをやった時の兄からの言葉を思い出す。
「自分が行きたい方向に目線を持っていけば、後は身体が勝手についてくる」
左に曲がりたいと思ったら、曲がる前から左側に目をやる。
そしたら、身体も自然と左方向に向くようになり、
キレイなシュプールを描きながらターンができるようになる、と。
何のことはない、誰でもできるような、シンプルな仕組みやった。
それが今になって、とても大切なことなんやなぁとしみじみ思う。
目線=ヴィジョン。
例えば僕が起業して社長になったとして、
その会社は僕の目線よりも高みに行くことなんて、そうそうない。
会社は社長の器で決まるというのは、よく聞くこと。
例えば僕が上司から「この企画担当して」と支持されたとして、
僕の目線が「指示通りやる」という意識なら、それ以上のモノはできない。
案外、そんなもんやなぁと。
何をするにしても、自分の目線以上の成果を得ることは難しい。
そんな単純なことに気付いたのは、
恥ずかしながらここ1年くらいのこと。
幸いなことに、仕事がら、Web・IT業界の中でも突出した才能を持つ
人たちと出会うことが多かったからやと思う。
それからは、仕事に対する目線はできるだけ高く持つようにしてきた。
やらされ仕事だけはしないようにしようという気持ちでいた。
「その企画の中で、自分ならどうするか、どうしたいか」ばっかり考えた。
そんなことを続けていると、
自分のキャリアについても真剣に考えるようになった。
これから30年以上も続く仕事人生の中で、
どうなりたいのか。どこに目線を置くか。
そして、目指すべき場所の景色を見るためには、
何をすべきなのかが見えてくる。
答えはまだ見えないけれど、1つだけ言えることがある。
30年後、自分の仕事人生を振り返ってみた時、
そのシュプールはキレイでなくてもいいねん。
いろいろ悩みながら、考えながらも、
自分の描く目線に正直に進んできたと胸を張れればそれでいい。