編集者になって1年が経ちました。

前々から始めたいと思っていた、はてなダイアリーを始めます。

せっかく4月1日やし、新年度始まるし、筆不精の僕はこういうタイミングで書かなかったら一生筆不精のままやろうと思い、えいや、と文章を打ち始めています。まぁ、つれづれなるままに書いていこうと思うので、興味がある方は読んでください。興味がない方も、たまにはのぞいてください。

さて、前置きもそこそこに、本題に入ります。

僕は現在、『エンジニアtype』というWebマガジンの編集者をやっています。昨年4月、『エンジニアtype』がWebで始まるタイミングで異動してきたわけですが、元々編集の仕事なんかに興味はありませんでした。

編集部の仕事は、特集記事の企画を考えたり、取材先を選定したり、取材したり、原稿書いたり、ライターさんやカメラマンさんに仕事の依頼をしたり、慣れないHTMLのコードを見ながら入稿したり、情報収集したり……。まぁそんな感じです。

最初の3カ月は文章の書き方に苦しめられ、次の3カ月で「炎上」で心が折れかけ、その次の3カ月は「特集記事」に悩まされ、今年に入ってからの3カ月は色んな調整の壁にぶちあたり、今に至ります。

しかしまぁ、エンジニア向けWebメディアとして編集をやらせてもらっていることもあって、IT業界のトップを走るエンジニアさんや同世代のスタートアップベンチャーさんのお話を聞く機会も多く、毎日刺激をたっぷり受けています。

「自分は何て平凡なんだろう」

そんなことを強く印象づけさせてくれる意味でも、取材はとっても有意義です。みんなすごすぎるんですもの。というより、お会いするエンジニアさんたちが、勉強欲高いんでしょうね。日々、焦るばかりです。

編集の仕事は、とても楽しい。ITの世界が期待に溢れていて、世界を変えられると本気で思っている人たちが集まっていて、でもそんな期待に満ち溢れている人たちってほんの一握りしかいなくて、これほどまでにカオスなところだとは思いもしませんでした。歌手や俳優に憧れてハリウッドを目指す若者が、今はハッカーとなってシリコンバレーを目指す、そんな世界に変わりつつあるところ、とても楽しいです。

「1日インターネットから離れるだけで、ちょっと焦る」ほどにネットホリックになったのも、編集者になったおかげですね。

そんな刺激的な日々を過ごしていると、色々考え方も変わってくるようで。色んな人の色んな話を聞いていると、「自分が本当に何をやりたくて、人生の中で何を残したいのか」についてよく考えるようになりました。よく考えれば考えるほど、よく分からなくなるんですけど。

それでも、少しずつ自分の進みたい道みたいなものが漠然と見えてきました。正確には、前からあった気持ちが、一旦カオス状態になって、再構築してみたら結局おんなじようなものだった、ということです。

僕は日本が好きで、さらに言えば日本の文化が好きで、伝統芸・伝統工芸なんかも、後世に残したいなぁと結構本気で思っています。多分、それらを残す一助となるようなお仕事がしたいんです。直接職人になりたいものだとも思いますが、多分それはできなくて。もっと広い視点で、日本の職人さんたちが笑って過ごせるような環境をつくる方が、自分には向いているような気がしていて。

それがどんな仕事なのか、今は見えていません。が、これが、自分が仕事をする上での軸になっていくのだろうと思います。

糸井重里に憧れ、何が何でも「コピーライターになりたい」と執着していた少年が、「コピーライターという職業」に抱いていた漠然としたあこがれは、もうあんまりありません。さっき言ったみたいな仕事をするための手段としてコピーを書くのも良いだろうし、編集者でも良いだろうし、そんな感じです。

こんな気持ちになれたのも、社会人4年目になって、編集部に異動して、さらにIT関係のWebメディア運用に立ち会えたからだと思っています。この1年で大きく環境が変わり、自分の気持ちにもちょっとした渦が巻いて、何か変わろうとしている。

『エンジニアtype』が2年目を迎え、僕自身も編集者として2年生になる。むちゃくちゃ面白いこの環境を離れることは当分ないだろうけど、吸収できるものはすべて吸収して、お世話になった人に、そして世の中に還元できるようにもっと頑張っていきたいと思います。

というわけで、『エンジニアtype』ともども、これからもよろしくおねがいします。

ノシ