AR三兄弟の三男・小笠原雄さん脱退で感じた、「怪物を野に放つ」ということへの期待と不安

本日、ひな祭りである。

本来であれば、下北沢じゅうの女の子にひなあられを配って回りたかったのですが、残念ながら、本日は僕の大好きなAR三兄弟の三男・小笠原雄さんの離縁イベントがあったため、仕方なく家でパンケーキを食べたあとに、下北沢モナレコードさんに向かいました。


とはいっても、AR三兄弟歴がそれほど長くない私。イベントで三兄弟の歴史を拝見して、三男の才能に畏怖の念を感じました。普段は、仕事でも長男の十夢さんと絡むことばかりなので、また、メディアやイベントでも長男の十夢さんがトークすることが多いので、三兄弟の作品を通してしか、三男・小笠原さんの活動は目に見えなかったんです。

だからこそ、今日、小笠原さんの個人としてのこれまでの作品(「オガラップ」や「オガラーメン」、音楽活動、「ももたろう」など)を見て、ただものではない感に恐れおののいたのです。

亀田三兄弟の長男・興毅が「三男の和毅がいっちゃん強い」と言ったように、末っ子最強論が僕の中によぎりました。長男の十夢さんは、もちろんスゴい。次男の高木さんも、ちょっとイッた感じの映像に、秘めたものを感じる。そんなAR三兄弟の三男が、スゴくないわけがない。今まで力を抜いていたわけではないが、先に話したように、十夢さんがAR三兄弟のフロントマンとして立っていたから目立たなかっただけなのかもしれない。そんなことを感じました。

これはイベント時にお話されていたからもう言ってもいいんだと思うけれど、小笠原さんは、AR三兄弟を離縁し、作家、ストーリーテラーとして、文章を書くことに専念するといいます。イベントでいただいた作品「カリン」の朗読も、小笠原さんが作曲した音楽が良い感じに世界観を創り出して、“ただ者ではない”感を一層際立たせていました。

「これからどんな作品を生み出してくれるんやろか」そんな風に、小笠原さんの未来にワクワク感や期待感を抱きながらも、一方でちょっとした不安があったのも事実です。

どんなにすごい人でも、その能力を最大限に活かすのは難しい。かつてドラゴンボールで、トランクスが「父さんを超えてしまった」として筋肉ムッキムキのスーパーサイヤ人になったものの、スピードが落ちてしまいセルにボッコボコにやられてしまったというエピソードがあります。その後トランクスは「まさか、父さんはこうなることを知ってて…」と、自分の未熟さを思い知らされていました。

小笠原さんも、AR三兄弟というユニットがあったからこそ、そのモンスター級のセンスを遺憾なく発揮できたのではないだろうか。長男の十夢さんというブレーンがあったからこそ、その能力が最大限に活かされていたのではないだろうか。

いや、そんなことはないはず。少なくとも僕はそう思いたい。

むしろ、十夢さんというリミッターを外した時の小笠原さんがどんなものなのか。それが楽しみで仕方がないんです。

僕は一部しか参加できなかったのですが、一部の最後に小笠原さんがおっしゃっていた言葉が印象的でした。

「気持ちの問題です。AR三兄弟を続けながら物書きをしても、それなりの物しかできない。だったら、抜けるしかない」

何か、スゴく感銘を受けました。その言葉から、小笠原さんの不器用さや純粋さが伝わるような気がして。多分同年代の僕も頑張らないとな、と。

冒頭でも話しましたが、AR三兄弟歴が浅くて、この考察が正しいかどうかは分かりません。けど、正しかろうが正しくなかろうが、こうして約1年ぶりに僕にブログを書かせ、かつ「今に見とけよ」魂に燃料投下してくれたことは事実です。だから、頑張って欲しいし、自分も頑張りたいなと思いました。

AR三兄弟にも新メンバー・セツコデラックスが加入して、ますます活躍してくれるだろうことはもう言わずもがなです。

終始賑やかに、でもどこか哀しみがただようこのイベントに参加できてよかった。改めまして、小笠原さん、お疲れ様でした。これからも頑張ってくださいませ。